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2017/01/10グローバル化する事業活動と日本の国際紛争解決法制の整備 ―急がれる「日本国際仲裁センター」の設立―⑧

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8.日本の国際紛争解決法制の改善策(注25)

 

(1)日本の仲裁法の改正

日本の新仲裁法は1985年のUNCITRALモデルに準拠して2003年に制定され、2004年3月に施行されたが、その後一度も改正されていない。2006年にUNCITRALモデル法の改正が行われたがそれを取り入れるための議論も現状ではなされていない。

韓国では既に2006年のUNCITRALモデル法の改正を反映して仲裁法を改正し、その後も国際的なトレンドを考慮して関連法規の改正が度々なされている。日本の新仲裁法では制定当時のままで緊急仲裁人、暫定的保全措置等の制度の導入や、将来の検討が予定されている消費者仲裁・労働仲裁(注26)、仲裁合意の範囲(13条で離婚又は離縁の紛争が除外されているので、ハーグ子の奪取条約の子の連れ去り事案等で和解に執行力を付与するために仲裁が利用できない)等についても充分に議論のうえ、日本の仲裁法改正も視野に入れて関連法規を早急に検討する必要がある。

 

(2)仲裁判断取消等の裁判手続での送達

仲裁判断取消等の裁判手続が判決手続から決定手続となり、迅速化されるはずが、日本の裁判所の実務として海外への正式送達を行うことから、取消申立から審尋期日まで1年近くかかり、しかも膨大な書類の翻訳が必要となり時間的、費用的に当事者の過大な負担となっている。裁判実務を変更するか、ハーグ送達条約の改正が必要ならばその提言を行う等何らかの改善が必要である。

 

(3) 日本の裁判手続は日本語という原則の例外

日本の裁判所では日本語を用いることになっているが(裁判所法74条)、原則はこのままでよいが、例外を設けるべきである。たとえば国際的な訴訟の場合に当事者の合意があれば英文での契約書等の書証は翻訳文は省略してよい等の弾力的な運用が望まれる。

日本の裁判官も海外留学経験者は多く英語のできる書記官も少なくない。国際訴訟専門部を設けて一部外国語で(翻訳なしで)訴訟ができるようになれば、時間的にも費用的にも当事者にとって利用しやすくなる。現状のままでは国際的な事案では日本の裁判所を極力避ける努力がなされることになり、日本の当事者にとっても望ましくない結果となる。

 

(4)特色ある簡易仲裁制度の創設

最近の国際仲裁案件では仲裁費用が非常に高くなっている。それは著名な国際仲裁人報酬の時間単価が高くなっていることと、事件が複雑化し時間を要するためである。

 

しかし、今後は中小企業の海外進出も増えることから比較的小さい仲裁事件も増えてくるので、「早く、安く」というニーズは増大すると思われる。そこで、日本独特の安く、早く解決できる簡易仲裁制度を創設し、これを世界へアピールすれば日本の仲裁件数も飛躍的に増えるのみならず、内外の当事者にとっても喜ばれることになる。海外でも簡易仲裁制度はあり、JCAAにもこの制度はあるが、必ずしも多用されているとは言えない。利便性をよりよくするため(1)対象となる紛争の額、(2)仲裁人の数と国籍、(3)証拠方法の制限、(4)審問期日の数、(5)申立から仲裁判断までの期間、(6)使用言語等を工夫して利用しやすい制度とする必要がある。

 

 

グローバル化する事業活動と日本の国際紛争解決法制の整備
―急がれる「日本国際仲裁センター」の設立―⑨に続く

 

 

 

(注25)日本仲裁人協会内の前記検討会議副座長の手塚裕之弁護士は、「2016年4月6日JAA国際紛争解決センター設立検討会議用資料 日本が仲裁地として不適な場合と是正策」と題するメモにより数々の示唆に富む改善案を提案されている。本稿の改善策もそれと検討会における議論を参考とさせていただいたものである。

 

(注26)仲裁法附則3条、4条、なお、消費者仲裁、労働仲裁については、出井直樹「消費者仲裁・労働仲裁」、法律時報87巻4号25頁参照。

 

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