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2015/12/22緊急提言  ハーグ条約による子の不利益を防ぐために国際家事調停による友好的解決と面会交流の支援を

離婚・国際離婚

小原弁護士の論文が「日本仲裁人協会会報第9号2013年3月」に掲載されました。



ハーグ条約加盟と国際家事調停

日本仲裁人協会常務理事・同ハーグ条約PT共同座長
  小 原  望

一、はじめに
 国際結婚の破綻とそれに伴う「子の連れ去り」問題が多発しているが、かかる場合に国境を越えて連れ去られた子の返還手続を規定する「ハーグ条約」に未加盟の日本に対しては、欧米を中心とする加盟国諸国から早期加盟への強い要望がなされていた。
 日本政府は長期間の検討の結果ハーグ条約に加盟することを決定し、安倍内閣は2013年の通常国会でハーグ条約加盟承認と条約を実施するための国内関連法案を可決させる意向を示している。
 本稿ではハーグ条約加盟後に生じる諸問題とそれに対する適切な対応につき検討することにする。

二、ハーグ条約の概要
 ハーグ条約は、監護権の侵害を伴なう不法な国境を越えた16歳未満の子の連れ去りの場合には、まず原則として子を元の居た国(「常居所」)へ返還することを義務付けている。これは一旦生じた不法な状態を長期間放置することなく、まず原状回復させたうえで、元の居住国の司法の場で子の監護について、子の生活環境や両親の主張を充分に考慮のうえ判断することが「子の最善の利益」になるとの考えからである。
 また、ハーグ条約は、加盟国がこの条約による義務を履行するために「中央当局」を指定すると定め(日本では外務省)、この中央当局の義務の一つとして子の任意の返還を確保し、または問題の「友好的解決」をもたらすために適当な措置をとるべきことを定めている。
 更に、ハーグ条約は、国境を越えて生活する親と子の面会交流の機会を確保することは、子の健全な生育に望ましいとの判断から、親子が面会交流できる機会を中央当局が支援すべきことも定めている。

三、日本政府の加盟に向けた準備
 ハーグ条約加盟を閣議決定した日本政府は、その準備として条約で定められた義務を国内で実施するための法律(国内担保法)を整備するため、裁判所における子の返還手続部分の作業を法務省が、子の所在の特定や返還のための当事者間の友好的解決のための支援、面会交流の実施に向けた支援等を行う中央当局の任務に関する部分を外務省が担当することとした。その結果、法務省法制審議会はハーグ条約(子の返還手続関係)部会において検討され、2012年2月に法務省は「子の返還手続等の整備に関する要綱」を答申し、野田内閣はこの要綱に基づく法案を2012年国会に提出したが衆議院解散により廃案となった。安倍内閣では早期解決のため民主党政権下で廃案となった法案を2013年の通常国会に再提出の予定といわれている。この返還手続に関する法案では一定の返還拒否事由のある場合を除き原則として6週間以内の裁判手続により子を元居た国に返還すべきことを定めている。

四、ハーグ条約加盟後の問題点
 国境を越えた子の連れ去りがよくないこと、かかる場合にはできるだけ早く子が元居た国に返還すべきことは原則として望ましいと思われる。しかしながら、国際的な子の連れ去り事案の背景には様々な事情があり、単に子を元居た国に返還することで条約が目的としている「子の最善の利益」を確保できるとは限らない。
 現実に生起している国境を越えた子の連れ去り事案において、妻(多くの場合)が子を連れて本国に帰国する背景には色々な事情がある。経済的にも恵まれ、円満な夫婦関係があれば、子の連れ去りまでする必要はない。ほとんどの場合には国際結婚が破綻している場合が多い。夫婦が別れる際には、常居所地国で当事者間の協議、調停又は訴訟により、子の監護権(親権)者、養育費、面会交流権、慰謝料、財産分与等一切の必要な事項をあらかじめ決めておくことが望ましい。しかし、現実におかれた状況の下で、かかる事項をあらかじめ決めることは経済的にも、感情的にも困難な場合が多い。ハーグ条約が、子の監護(親権)の問題は、まず返還してから常居所地国での法的手続で決定するのがよいとする原則は理解できるとしても、多くの場合経済的弱者である妻にとっては高額な訴訟費用を負担できずに泣き寝入りせざるを得ない場合がある。別居した妻が子の養育費すら支払われず、困窮のうえ連れ去るということが多い。ハーグ条約の「とりあえず」常居所地国に返還するという原則のみでは、結果として子を不幸にする場合もありうる。従って、ハーグ条約に加盟し、単にそれを実施する返還手続に関する国内担保法を制定するのみでは「子の最善の利益」が常に確保されるとは言えないのである。

 

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