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2014/02/24特別寄稿 ハーグ条約の批准と国際家事調停の重要性

離婚・国際離婚

三.国際家事調停の役割—諸外国の例
このようなわが国の現状において、裁判所の返還命令を直接的に強制することは望ましくなく、国際的な話し合いの場を設けて、関連する諸問題を友好的に解決し、任意に返還するように説得することが望ましい。
ハーグ条約は、締約国はこの条約による義務を履行するために「中央当局」を指定すると定め(6条)、かつこの中央当局の義務の一つとして「子の任意の返還を確保し、または問題の友好的な解決をもたらすこと」(7条C)と定め、任意の返還または友好的解決が望ましいことを示唆している。かかる目的を達するためには、締約国内に返還命令を出す裁判所とは別に、国際調停を中心とする国際家事調停機関を設置することが必要かつ望ましいと思われる。感情的に対立関係にある当事者同士が直接話し合うよりも、専門家による調停により円満解決の途を探す場を設けることがより「任意の返還」または「友好的解決」に資するからである。諸外国においては、国際家事調停等により成果をあげている国があるので、これらを以下に紹介する。

1.アルゼンチン
(1)調停機関
 アルゼンチンでは中央当局自らが調停を行っている。ハーグ条約26条は「各中央当局は、この条約を適用するに当たり要する自己の費用を負担する。中央当局・・・は、この条約に基づいて行われた申請にいかなる手数料も徴収してはならない。」と明記されているため(但し、42条により批准の際に留保することはできる)、公けの資金で7条に定められた中央当局がとるべき措置を、就中7条Cの「任意の返還」または「友好的な解決」を実現すべく努力をしている。

(2)調停のプロセス
 双方の当事者が同意すれば中央当局が調停を主催し、子を連れ去った親に任意に返還するか、調停で話し合うように勧める。連れ去った親は回答をするのに10日間が与えられる。調停に同意すれば調停は中央当局のオフィスで開催され、中央当局は双方が合意に達するまで何回でも期日を設ける。但し、連れ去った親が返還の時期を単に遅らせるために利用していると感じた時には調停を終了する「Sarah Vigers, Hague Conference on Private International Law, Note on the Development of Mediation, Conciliation and Similar Means to Facilitate Agreed Solutions in Transfrontier Family Disputes Concerning Children Especially in the Context of the Hague Convention of 1980, appendix 1, 1 (2006)」。

2.フランス
(1)調停機関
 フランスも公の資金で司法省内に国際家事調停機関を設置している(D’aide a la mediation internationale pour les familles [MAMIF])。
 調停人となるための性別または専門による要件は特に設けられていないが、フランスには国際調停のためのトレーニング・コースがいくつもあり、それらのいずれかで訓練された人がなる場合が多い。フランスの大学の修士課程では国際調停のトレーニング・コースがあり、大学に行かなくても国際調停の分野で働いている人のためのセミナーも数多くある。更にEUの家事調停のトレーニングを受けることも可能である。

(2)調停のプロセス
 調停人は守秘義務の下で調停を行い両当事者の同意がなければ、法廷においても調停中のやりとりを開示することは許されない。調停人はソーシャルワーカーや通訳者の補助を求めることができる。子の連れ去りに関する国際紛争については、この調停は外国間同士の紛争、または締約国と非締約国の紛争についても利用することができる[Jennifer Zawid, Practical and Ethical Implications of Mediating International Child Abduction Cases: A New Frontier for Mediators, 40 UMIAIALR 1, 12 (2008)]。

3.イギリス
(1)調停機関
 イギリスには非政府組織の“Reunite International Child Abduction Centre”(Reunite)がある。イギリスが関係する国際的な子の連れ去り問題を取り扱う。調停の費用はNuffield Foundation(自動車会社Morris Motorsの社長のWilliam Morrisが1943年に設立した基金で、利子のみですべての支出をまかなっている)より支払われる。外国の当事者の往復の旅費、5日を上限とするホテル等の滞在費その他の費用、国内の当事者の交通費、ホテル代(必要なとき)等も負担される。調停人・通訳の費用もこの基金から支払われる。

(2)調停のプロセス
 調停は2人の調停人により行われる。National Family Mediationでは調停人のトレーニング・コースがあり、Reuniteには法的又は非法的専門家の調停人名簿も備置されている。
 調停は裁判手続が開始された後にのみ行われる。その間裁判手続は停止される。このやり方には二つの長所があるといわれている。
① 当事者には既に弁護士がついているので覚書(MOU)が作成される
   と直ちに強制力のある裁判所命令を取得することができる。
② 裁判開始後の調停には追加的資金供与がなされる。
調停人には守秘義務があるが、子供の保護のためには例外が認められている。調停が不調になると直ちに裁判手続に戻る[Reunite Int’l Child Abduction Ctr., Mediation in International Parental Child Abduction: the reunite Mediation Pilot Program, 7 (2006).]。

 

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